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おやすみコラム

レム睡眠とノンレム睡眠の違いとは?質の良い眠りのためにできること

わたしたちの眠りの深さは、常に一定ではなく、浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を交互に繰り返しているって知っていましたか?
レム睡眠とノンレム睡眠を深く知ることで、私たちの睡眠の質はグンとアップします。
今回はレム睡眠とノンレム睡眠について、詳しく見ていきましょう!

 

レム睡眠・ノンレム睡眠とは?

レム睡眠とノンレム睡眠の違いをわかりやすく説明すると、レム睡眠とは「脳は起きていて体は眠っている状態のこと」、ノンレム睡眠とは「脳が眠っている状態のこと」を指します。
わたしたちは眠りにつくと次第に睡眠が深くなっていき、「ノンレム睡眠」という脳を休息させる睡眠入ります。
その後、脳は活動している状態になり、逆に肉体を休息させる「レム睡眠」に移ります。レム睡眠中は目が動いたり夢を見たりしながら、心身の疲労とストレスを回復させてゆくのです。
ノンレム睡眠とレム睡眠は90分周期になっていて、ひと晩で4~5回ぐらい繰り返され、起きるタイミングである起床時間が近づくにつれて浅いノンレム睡眠に変わってゆきます。

またノンレム睡眠はステージ1~4の4段階に分かれていて、「徐波睡眠」と呼ばれる一番深い睡眠に入ると、傷ついた細胞を修復したり、新しい細胞への生まれ変わりを促したりする「成長ホルモン」の分泌量が高まります。
さらに脳にたまる疲労物質「アミロイドβ」の排出も進むことで、翌朝はすっきりした気分で起きられるのです。
ただし、この徐波睡眠は、眠りについてから3時間の間にしか現れないので、寝つきをよくすることと、睡眠の途中で目を覚まさない睡眠が、快眠と健康、そして美容のために必要なのです。

お肌のゴールデンタイムは間違いだった!?

顔に手を当て見つめる女性

夜の10時から2時の間は「お肌のゴールデンタイム」と言われていましたが、近年の皮膚科学の研究においてこれは間違いであることが分かりました。
重要なのは、「何時に寝ているかではなく」、「眠ってから3時間の間に熟睡すること」で、12時ぐらいに寝付いたとしても、3時まで深く眠ればお肌の新陳代謝が促され、アンチエイジング効果が期待できるのです。
さらに、この眠ってから3時間の間は、心身の疲労回復が進む深い眠り「ノンレム睡眠」の深度が深くなりますから、寝つきをよくするのはもちろんのこと、目が覚めないような環境を整えることが重要です。

だからと言って、3時間だけ眠ればいいというわけではありません。
最初のノンレム睡眠が終わった後はレム睡眠に移り、主に筋肉の疲労回復を進めます。
しかし、3時間程度のショートスリーパーになってしまうと、このレム睡眠がとれなくなってしまうのです。
すると、起床時に脳はスッキリしていても、カラダには疲れが残っているため、健康状態がどんどん低下してしまいます。
質の高い睡眠と聞くと深い睡眠が重視されがちですが、浅い睡眠にも役割があるということです。
ちなみに、ショートスリーパーと呼ばれる人たちは、遺伝的要素によって、短時間睡眠でも健康的な生活が送れていると考えられているんですよ。

質の高い睡眠を得るためにできること

健康的な生活を送るには、レム睡眠とノンレム睡眠を得ることは欠かせません。
そのために今日からできるポイントを2つ挙げておきます。

 

1.寝る前に脳を覚醒させない

不規則な生活や寝る前に脳を覚醒させる習慣は、質の高い睡眠の大敵です。
たとえば、寝る前にお酒を飲む習慣。アルコールが入ると寝つきは良くなりますが、脳は覚醒した状態になりますので、徐波睡眠どころかノンレム睡眠の一番浅いステージにしかたどり着けません。
ほかにも寝る前の入浴や食事、布団に入ってからのスマートフォン操作なども脳を覚醒してしまう原因になります。注意しましょう。

 

2. 最適な寝具を選ぶ

寝室に置かれたダブルベッド
寝心地が良いという理由で選んだ敷布団やマットレスでも、体圧分散がうまくできていない状態でしたら、寝返りがうちにくくなって寝苦しさを感じるようになります。
その結果、眠りが浅くなって、ノンレム睡眠が浅くなってしまうのです。
もし、夜中に何度も目が覚めたり、朝起きた時に体の痛みを感じたりするようであれば、寝具の体圧分散機能が低下している可能性があります。
布団に体圧がかかっても、元の状態に戻る機能(復元率)が高いマットレスに買い替えてみましょう。
疲労がしっかり取れる、ノンレム睡眠が得られるようになることが期待できますよ!

短時間睡眠の生活をはじめても、仕事や家事の効率が下がらず、活動的な日々を送れるかもしれません。
しかし、睡眠の基本はノンレム睡眠とレム睡眠をバランスよくとることにつきます。
この点をしっかり理解したうえで、心身に負荷のかからない生活を心がけてくださいね。

著者・執筆者

松本 小春

訪問看護事務員で勤務し、介護に従事。併せてフリーのライターとして睡眠・健康・栄養コラムを執筆している。

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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