睡眠の質を低下させる原因はたくさんありますが、多くの人に共通するのが「いびき」です。
放置しておくと眠りがどんどん浅くなって日中の行動力が低下し、重症化すると命を落とす危険性も…!?
「いびきなんて誰にでもあること」と軽視せず、すぐに改善していきましょう。
自分のいびきを確認する方法
いびきで起きてしまうこともある、起きてすぐはのどが痛い。
そんなあなたはいびきをしている可能性大です!
「その日だけたまたま疲れていたんだろう」と気にしてない方もいるかもしれないですが、自分が気づいてないだけで、実は毎日激しいいびきをしている可能性もゼロではありません。
まずは恥ずかしい気持ちを捨て、家族や友人、彼氏彼女に自分がいびきをしているか正直に聞いてみるのが手っ取り早く確認できる方法です。
一人暮らしで誰にも聞ける人がいないという方の場合は、いびきを測定するアプリを利用してみてください。
スマートフォンで使える無料アプリをインストールすれば寝ている間の音を計測でき、一発で自分がいびきをかいているかわかりますよ。
いびきが重症化するとどうなる?
いびきが重症化すると、睡眠中に呼吸が止まる『睡眠時無呼吸症候群』を引き起こします。
この症状が発生するとさらに眠りは浅くなりますし、心筋梗塞や脳梗塞など命にかかわる病気にもつながるのです。
睡眠中の突然死で亡くなる方の多くは、この睡眠時無呼吸症候群を発症しているという研究データもあります。
取り返しのつかない状態になる前に、まずはいびきチェックを行ないましょう。
いびきをかいている時間が長く、日中は常に強い眠気や倦怠感がある方は、迷わず呼吸器科や内科・循環器科を受診してください。
いびきは気道の狭さが原因!
狭い気道を通過するときに、空気がのどや鼻を振動させて出す音が【いびき】です。
それではここで、一般的に言われているいびきをかいてしまう原因について詳しく見ていきましょう。
肥満
脂肪は喉付近にもつくため、気道の狭まりにつながります。
体重増加していびきをかきやすくなったと心当たりのある人は、脂肪燃焼効率が高まる夕方にウォーキングをするなど、ダイエットをしてみるのがおすすめです。
寝酒・喫煙
アルコールを摂取すると、喉付近の筋肉が弛緩するため、気道の狭まりが進みます。
またタバコを吸うと気道に慢性的な炎症やむくみを引き起こす原因に。
寝酒や喫煙が習慣化してしまっている人は、生活習慣を見直してみましょう。
鼻づまり
普段は鼻呼吸で空気を取り入れていますが、鼻づまりの場合はどうしても口呼吸になってしまいます。
口呼吸をしていると自然と舌が下がりやすくなり、気道をふさぐ原因になります。
舌の筋肉の衰え
舌の筋肉が衰えてくると寝ている間に舌を支えることができなくなるため、舌が喉の奥に落ち込みます。
すると空気の通り道がある気道がふさがれて狭くなり、いびきの原因となります。
女性ホルモンの減少
女性ホルモンの「プロゲステロン」が加齢によって減少すると、筋肉のハリがなくなり、気道が狭まりいびきをかくようになります。
枕の高さが合っていない
枕に頭を乗せた時、顎が極端に下がった状態になる場合は枕の高さが合っていません。
顎が沈むこともいびきの原因になるので、首の骨が緩やかなS字カーブを描ける枕に買い替えてみましょう。
あごが小さすぎる
日本人の顔はあごが小さいので、睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいといわれています。
また舌が大きい、扁桃腺が大きい、あごが二重になっている方も気道が狭くなる傾向にあるようです。
おすすめのいびき改善方法
自分に当てはまるいびきの原因がわかったところで、今度は改善方法について見ていきましょう!
生活習慣を見直す
いびきの原因になる寝酒・喫煙は控え、健康な食生活と適度な運動をする。
そしてストレスや疲労を抱えずに、しっかり睡眠をとる。
自分の悪い生活習慣を見直すのが、一番早い解決策と言えるでしょう。
舌回し体操
いびきの症状が軽度な方は、舌回し体操がおすすめです。
【舌回し体操の3STEP】
1.軽く口を閉じて、中から舌で口の中を押しながら回転
2.左回りで3回、右回りで3回、舌を回したら少し休憩
3.この回転運動を5~7セット繰り返す
舌を回すだけのカンタンな体操ですが、口周りの筋肉が鍛えられて2週間くらいで舌の筋肉が強化されます。
舌回し体操はいびきだけでなく、唾液の分泌が促されて口内環境がよくなり、口臭や歯周病予防にも役立ちます。
さらに2重アゴやほうれい線といった美容にも有効で、顔のゆがみも改善されて頭痛やかみ合わせで悩んでいる方にもおすすめです。
横向きやうつ伏せで寝る
いびきをかかない寝方をしたい方には、横向き寝やうつ伏せがおすすめです。
仰向けだと喉が沈んでしまい、いびきが発生しやすい姿勢になります。
寝方を変えることでいびきが改善されることもあります。
抱き枕などを用いて、寝姿勢を整えるのもおすすめです。
寝具を買い替える
枕やマットレスが合わないことが原因で喉付近が沈み込んでしまっているのなら、寝具を買い替えることっで劇的にいびきが改善する可能性があります。
自分に合った寝具で良質な睡眠をとるようにしましょう。
いびき対策グッズ
すぐにいびき改善をしたいという方のために、いびき対策グッズについてまとめました。
マウステープ
いびき防止策で一番手軽に実践できるのが、マウステープの使用です。
ドラッグストアに行けば、唇に貼って使うタイプのテープが手ごろな値段で手に入りますから、これで口をふさぎ、強制的に鼻呼吸をするようにしましょう。
口呼吸が続くと、空気中の雑菌やウイルスなども吸い込んで、病気リスクが高まりますので、健康維持にもテープの使用はおすすめです。
マウスピース
歯に装着しておけば下あごが固定されて、気道の狭まりを抑えてくれます。
歯科や口腔外科を受診すれば、歯形に合ったマウスピースを作ってもらえます。
鼻孔拡張テープ
鼻炎など鼻が詰まる症状が出ている方は、鼻孔拡張テープを貼ってみましょう。
こちらは、鼻に貼って空気の通りを良くするグッズで、テープ内部のバネが呼吸を楽にしてくれます。
口に貼るテープよりも、違和感なしに使える商品が多いです。
鼻チューブ
テープ類でいびきが治らなかった時に試してみたいのが、医療機器でもある「鼻チューブ」。
鼻から気道の上部まで、空気の通り道をしっかり作れるため、いびきがひどい方でも、使用後すぐに改善につながるケースが多いようです。
チューブを鼻に挿入した状態で眠るため、慣れるまで違和感を覚えるのがネックですが、睡眠中も空気が全身に行きわたりますから、眠りの質が向上することが期待できます。
自分がいびきをしているのか。している場合、いびきの原因は何なのか。どうすれば改善するのか。今回の記事が考えるきっかけになったら幸いです。
最初の方でもお伝えしましたが、いびきは睡眠時無呼吸症候群をはじめ、さまざまな病気が潜んでいる可能性があります。
気になる方は早めに病院を受診することをおすすめします。