GOKUMINコラム
寝具相談室

低反発枕の洗い方はない!?知っておきたいウレタンの特徴とは

枕やクッションは使っているとさまざまな汚れが付着しますので、定期的に洗う必要があります。
しかしウレタン素材を使った低反発枕やクッションなどは別で、通常の洗い方で汚れを落とすと二度と使えなくなってしまうことも。
このようなトラブルは非常に多いので、使い心地のよいウレタン素材の特徴を押さえておくとともに、低反発枕を選ぶときのポイントも覚えておきましょう。

 

ウレタンは水に濡れると化学変化を起こす

ふんわりとした感触が人気の低反発枕やクッションには、ウレタンが使われています。
ウレタンはゴムのような弾力をもつプラスチックの一種で、低反発枕だけでなくマットレスやクッションなど、幅広い製品に採用されている素材です。
ポリオールとイソシアネートという化合物に、発泡剤や触媒などを混ぜて作るのですが、この時に無数の空気を含んだ泡(気泡)ができるんですね。
この気泡が低反発枕の寝心地のよさや、クッションの弾力を生み出しています。

汎用性が高いウレタンですが、最大のデメリットは「洗い方がない」ということです。
ウレタンは水に濡れると化学変化を起こし、化合物の分子結合が解けてしまい、ボロボロの状態になってしまいます。
水をしっかり切るといった丁寧な洗い方をしても、弾力や伸縮性は失われますので、枕やクッションとしての機能を果たしません。

一部のクリーニング業者では特殊な洗い方で低反発枕などのクリーニングにも対応していますが、費用が非常に高いのがネックです。
お気に入りの枕が使えなくなるといった憂き目にあわないよう、基本的に「ウレタンが使われている低反発枕の洗い方はない」と覚えておきましょう。

 

枕を購入する時に必ずチェックしたいポイント

ダメージを与えない洗い方がないからといって低反発枕をそのまま使っていたら、頭皮の皮脂や汗などの汚れがたまり、アレルギーを引き起こすことも。
またこうした老廃物のニオイは寝つきの悪さにつながり、睡眠の質の低下や寝不足になるリスクも高まるのです。

 

枕のニオイを嗅いで不快な表情を浮かべている女性
そこでみなさんにおススメしたいのが、消臭・抗菌・調湿効果のある低反発枕。
皮脂などをエサにするダニや、湿気を好むカビが発生しにくく、快眠の妨げとなるニオイも抑えてくれます。
低反発枕がもつ寝心地のよさはそのままに、洗い方に悩まずとも衛生的に枕を使えます。
さらに、寝ている間にかく汗の水分をしっかり吸収して、汚れたら交換して洗濯できる枕カバーを併用すれば、睡眠環境はもっと向上します。
枕カバーは洗濯機、手洗いなど、洗い方を選ばないアイテムなので、お手入れも非常に楽ですね。

今使っている低反発枕が、以前より寝心地が悪くなったと感じている方は、この機会に新しい枕に買い替えてみませんか?
機能は低下していないけど、低反発枕の洗い方に困っている場合は、機能性が高い枕カバーを使ってみてください。
睡眠の質が高くなって、日々の行動力がアップしますよ!

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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