マットレスの寿命は種類によって変わりますが、間違った干し方をしたりお手入れの頻度が低かったりすると機能低下が進み、使える期間が短くなります。
とくにマットレスの“へたり”は顕著に現れて、寝心地が悪くなり睡眠の質が低下するのです。
このようなトラブルを避けるためにも、本記事を参考にしてマットレスの正しいお手入れ法をマスターしておきましょう。
マットレスの大敵は内部にたまる汗の湿気
わたしたちが寝ている間にかく汗は、気温が低い冬シーズンでもコップ1杯分(約200ml)になります。
この水分がマットレス内にたまっていくとカビやダニの温床になってしまいますし、ウレタンなどの中材が劣化して“へたった”状態になってしまうのです。
このような睡眠環境の悪化は、スプリングマットレスなどでも発生しますので、正しい干し方でケアする必要があります。
ただし大抵のマットレスは綿の敷布団のように天日干しして、内部の水分を放湿させるといった干し方はできません。
たとえばマットレスの素材として使われることが多いウレタンは熱に弱いという性質があるため、太陽光に当てると縮んでしまうのです。
布団乾燥機を使うという方法もありますが、こちらも高温で乾かすことができないため、水分の放湿が十分にできないとかダニが死滅しないといった問題が発生するんですね。
またスプリングマットレスは重いため天日干しといった干し方はできませんし、布団乾燥機の熱が下部まで届きにくく、マットレスの裏面がカビやすくなります。
こうしたマットレスに最適な干し方は、日光が当たらない室内で干す「陰干し」です。
マットレスを壁に立てかけるなどして、表面だけでなく裏面も空気に触れるようにし、扇風機の風を当てて放湿を促します。
陰干しのお手入れ頻度は、ウレタンマットレスは週2~3回、スプリングマットレスは週1回を目安にしてください。
マットレスを覆っている側生地が取り外せる場合は、陰干ししている間に洗濯しておくとマットレスの状態はさらに改善しますよ。
陰干しをする時に注意したいポイントは?
マットレスを陰干しするときは汗の水分をしっかり放湿させるだけでなく、表面に付着したほこりや古い角質など、ダニやカビの栄養源となる老廃物を取り除くことも重要です。
特に注意したいのはマットレスの縫い目で、この部分は凹んでいて汚れがたまりやすいため、掃除機や粘着カーペットクリーナーなどを使ってきれいにしてください。
このような干し方でマットレスのお手入れを継続しているにもかかわらず、へたりが改善せず寝心地が悪いと感じるようでしたら、思い切って新しいマットレスに買い替えることを検討しましょう。
機能が低下したマットレスを使い続けていると睡眠の質がどんどん落ちていきますので、百害あって一利なしです。
ちなみにウレタンマットレスで簡単に陰干しをしたい場合は、三つ折りタイプをおススメします。
三つ折りタイプのマットレスは屏風のような形状にして立てかけられるので水分を放湿させやすいので、陰干しの頻度を高くすることで寝具の機能維持につながりますよ。
上記のような干し方をこまめに行なうと同時に、汗の水分を吸い取ってくれる敷パッドや寝具の裏面などに敷く除湿シートを使うことで、マットレスの寝心地はさらにアップするんです。
へたった寝具に悩まされている方や、新しいマットレスを購入したばかりの方は、本記事を参考にして快眠生活を送ってくださいね。