GOKUMINコラム
寝具相談室

枕なしで寝るとストレートネックが改善されるって本当?

寝るときに頭をのせる枕には、首の骨のカーブを自然に支えて快眠に誘う役割があります。
しかし、中には『枕なしで寝るほうが眠れる』という方もいますね。
そこで今回は、枕なしで寝るメリットとデメリット、そして勘違いされている間違った常識について解説していきます。
質の高い睡眠を得て、首や肩のコリから解放されるためにも、本記事のポイントをしっかり押さえておいてくださいね。

枕なしで寝るメリットとデメリットとは?

ここでは枕なしで寝ることのメリットとデメリットについてまとめてみました。
枕を使わずに寝ている人は、ぜひチェックしてみてください!

デメリット① 寝返りが打ちにくくなる

私たちは睡眠中に20回程度の寝返りを打ちますが、枕なしで寝るとこの動作がとりにくくなります。
その結果、頭部の一部が圧迫されて血流が滞り、起床時に頭痛が発生したり眠りが浅くなったりするのです。
枕なしで寝る夜が続くと、この頭痛が悪化して慢性的な症状になるケースもありますから、該当する方は枕ありで寝るようにしましょう。

デメリット② 首や肩の筋肉にストレスがかかる

冒頭でもお話ししたとおり、私たちの首の骨は弓のように湾曲しているため、寝るときもこのカーブを枕で維持する必要があるんです。
しかし枕なしで寝ると首の骨がまっすぐの状態になってしまいます。
このような不自然な姿勢で寝ていると、首や肩の筋肉に負荷がかかってコリを引き起こし、起床時の不快感につながるのです。
また枕なしで寝ると不自然な角度に首が曲がり、寝違えの原因になることもあるので注意が必要です。

枕を使わずに寝ている女性の画像

デメリット③ いびきをかきやすくなる

枕なしで寝るといった姿勢は、空気の通り道である気道を狭くするため、いびきや睡眠時無呼吸症候群の発症につながりやすくなります。
いびきをかいている間は体内に取り込まれる酸素量が減少し、脳が酸素不足に陥るため眠りが浅くなるのです。
さらに呼吸が一時的に止まる睡眠時無呼吸症候群を引き起こすと、脳梗塞や心筋梗塞のリスクも高まります。
枕なしで寝る習慣は、このように健康への悪影響も伴うことを覚えておきましょう。

枕なしで寝るとストレートネックは改善するのは本当?

ネットの情報を検索してみると、「枕なしで寝るとストレートネックが改善する効果がある」といった記事を見かけますよね。
しかし、これは間違った常識です。
枕なしの状態では、あごが上に向いて首の骨への負担が増加しますから、症状が悪化する可能性があるんです。
逆に、枕ありで寝ても頭の位置が高くなると、同様にストレートネック悪化につながります。
ストレートネックにお悩みの方は、症状改善につながる仕様になった枕を選ぶことをおススメします。

枕を抱えた女性の画像

このように、枕なしで寝るのはデメリットが非常に多く、メリットは皆無といっても過言ではありません。
今まで枕なしで寝ている方が急に枕を使うようになると違和感を覚え、寝つきが悪くなるケースもありますが、健康リスクを考えて今日から矯正していきましょう。
感触の良い素材が使われていて高さが選べる枕で寝るようにすれば、次第に違和感も薄れていき快適な睡眠が得られることが期待できますよ。
 

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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