
湿度が高い日本においては、1年を通してベッドやマットレスのカビ対策が必須です。
また最近ではフローリングにマットレスを直置きにして寝ている方も増えているので、個別の対策も必要になります。
まずはカビの特徴を再確認して、湿気を徹底的に除去する方法を押さえていきましょう!
目次
1.マットレスやベッドに発生するカビは4種類
カビは温度が25度以上、湿度が70%前後、そして栄養分(皮脂やホコリ)などがある環境で繁殖力が高まります。
寝具まわりで発生するカビは4種類で、一番多いのは寝具の裏や中材、床面などあらゆる場所に発生する黒カビです。
ほかにもウレタン素材には青カビが生えやすいですし、赤カビはシミのように増殖していきますし、ベッドのフレームやボード、床板などには、白カビが発生することもあるんです。
カビは私たちの免疫力を低下させたり、アレルギーを引き起こしたりする物質なので、見つけたらエタノールなどを利用してすぐにカビ取りするようにしてください。
ただしマットレスの側生地や中材に生えた黒カビは、生地が傷まないような落とし方(エタノールでやさしく叩くなど)で除去する必要があります。
またカビは目に見える範囲だけでなく、マットレスの奥に胞子が付着しているケースも多いです。
カビ取りをしても臭いが消えないとか体がかゆくなるといった症状が出る場合は、快眠を守るために新しいマットレスに買い替えるべきでしょう。
このようなトラブルを避けるためにも、次にあげるマットレスのカビ対策を今日から講じるようにしてくださいね。
1-1.マットレスのカビの原因は?
マットレスにカビが発生しやすいのは、高温多湿で栄養分が豊富といったカビが繁殖しやすい条件を満たしているからです。
マットレスは厚みがあって湿気がこもりやすく、寝ている人の汗も染み込んでいます。
さらに、体温で温められて温度も高くなり、皮脂やフケなどの汚れも付着しているため、お手入れをしないとカビが発生してどんどん増えてしまいます。
「寝室の湿気が高い」「マットレスに湿気がこもりやすい使い方をしている」「不衛生な寝具を使っている」などが要因になりやすいので、カビ対策には環境を整えることが大切です。
2.マットレスのカビを落とす4つの方法
マットレスのカビを落とすには、状態に合わせて対処するのがポイントです。
ここでは、マットレスのカビを落とす4つの方法を紹介します。
2-1. 消毒用エタノールを使う
軽めのカビであれば、消毒用エタノールで落とせます。
殺菌作用があるため、カビを死滅させて繁殖を抑える効果も期待できます。
ただし、消毒用エタノールに漂白効果はないので、カビで黒くなったところを白く戻すことはできません。
<必要なもの>
- 消毒用エタノール
- スプレーボトル
- 布巾(使い捨てできるもの)
- ぬるま湯
- ドライヤー
- マスク
- ビニールまたはゴム製の手袋
<手順>
- 部屋を換気して、マスクと手袋をつける
- スプレーボトルに消毒用エタノールを入れる
- カビのある部分に消毒用エタノールを吹きかける(湿る程度)
- 1時間放置する
- 布巾をぬるま湯で濡らして軽く絞り、カビのある部分をトントン叩いて拭き取る
- ドライヤーでしっかりと乾かす(または、マットレスを風通しの良い場所に干す)
カビを広げないように、拭き取るときはこすらずに叩きましょう。
アルコール濃度が高く、適度に水分もあるとカビへの効果が高まるので、アルコール度数70%程度のものを使用するのがおすすめです。
2-2. 重曹とエタノールを一緒に使う
カビのニオイが気になるときは、ニオイを吸着する働きのある重曹とエタノールを一緒に使うのがおすすめです。
<必要なもの>
- 消毒用エタノール
- 重曹(小さじ1)
- 水(100ml)
- スプレーボトル2本
- 布巾(使い捨てできるもの)
- ドライヤー
- マスク
- ビニールまたはゴム製の手袋
<手順>
- 部屋を換気して、マスクと手袋をつける
- スプレーボトルに重曹と水を入れて振り混ぜておき、もう一つのスプレーボトルに消毒用エタノールを入れる
- 重曹水をカビのある部分にたっぷりと吹きかけ、5分程度放置する
- 吹きかけた場所を布巾でトントンと叩いて拭き取る
- 消毒用エタノールをカビのある部分に湿るまで吹きかける
- 1時間放置する
- 布巾をぬるま湯で濡らして軽く絞り、カビのある場所をトントン叩いて拭き取る
- ドライヤーでしっかりと乾かすか、マットレスを風通しの良い場所に干す
2-3. 市販のカビ取りスプレーを使う
寝具に使えるカビ取りスプレーを使用して、カビを落とす方法もあります。
市販のカビ取りスプレーは漂白効果が期待できるものが多いので、カビの黒ずみが気になるときにおすすめです。
基本的な必要なものや手順は以下の通りです。
<必要なもの>
- カビ取りスプレー
- 布巾(使い捨てできるもの)
- ドライヤー
- マスク
- ビニールまたはゴム製の手袋
<手順>
- 部屋を換気して、マスクと手袋をつける
- カビ取りスプレーをカビのある部分に吹きかける
- 15~30分程度放置する
- カビが消えたら、布巾で水拭きする
- 乾いた布巾で水分を拭き取る
- ドライヤーでしっかりと乾かすか、マットレスを風通しの良い場所に干す
商品によって必要なものや手順は異なるため、使用するカビ取りスプレーの使い方や注意書きをよく読んで正しく使いましょう。
2-4. クリーニング業者に頼む
カビの汚れがひどい、広範囲に発生している、長く放置してしまったという場合、自力で落とすのが難しいこともあります。
自分で落とせないときは、クリーニング業者に依頼しましょう。
業者であれば業務用の機器や洗剤などを使い、頑固なカビ汚れやニオイを取り除くことが可能です。
業者によって異なりますが、一般的な料金の目安は以下の通りです。
マットレスのサイズ |
料金目安 |
ベビー・キッズ |
7,000円〜10,000円 |
シングル |
8,000〜13,000円 |
セミダブル・ダブル |
10,000〜15,000円 |
クイーン・キング |
14,000〜20,000円 |
3.マットレスのカビを落とす際の注意点
誤った方法でカビを落とそうとすると、カビを広げたり、体に悪影響を与えたりする場合があります。
マットレスのカビを落とす際の注意点を確認しておきましょう。
3-1.キッチンハイター・カビキラーは使わない
キッチンハイターはキッチン周り、カビキラーは浴室や洗面台など水まわりに使うものです。
キッチンハイターやカビキラーは強力なカビ取り効果がありますが、どちらも用途以外で使用しないように注意書きされています。
皮膚に触れると肌トラブルを招く恐れがあり、マットレスが変色する可能性もあるので、マットレスのカビ落としには使わないようにしましょう。
3-2.洗剤を混ぜない
マットレスのカビ取りをする際は、複数の洗剤を混ぜないようにしましょう。
酸性とアルカリ性の洗剤を混ぜると中和作用を起こし、効果が低下してしまいます。
塩素系と酸素系の洗剤を混ぜると有毒なガスが発生して危険なため、とくに注意が必要です。
3-3.掃除機では吸わない
マットレスに付着したホコリやごみ、ダニの除去には掃除機がけは効果的ですが、カビが発生している状態で使うとカビの胞子を部屋中に撒き散らす恐れがあります。
他の場所にまでカビが広がることもあるので、掃除機でカビを吸わないようにしましょう。
4.マットレスのカビを予防する方法
マットレスのカビを防ぐには、湿気を溜め込まないこと、清潔に保つことがポイントです。
ここでは、マットレスのカビを予防する方法を紹介します。
4-1. 寝室の室温と湿度を適切に保つ
まず寝室の温度と湿度ですが、夏シーズンは27度前後、冬シーズンは20度程度に保ち、湿度はオールシーズン50%をキープするように対策を講じます。
換気をして空気を入れ替えるのはもちろんのこと、エアコンや除湿器を利用してカビが繁殖しにくい環境を維持します。
さらに黒カビなどは空気中に浮遊していますし、壁や床などにも付着していることを考慮して、掃除の頻度を高めることも心掛けてください。
部屋の湿度が常に高い場合は、扇風機やサーキュレーターなどを使って空気の流れを作るといった対策をとって、湿気を飛ばしましょう。
4-2. ベッドパッドと除湿シートで吸水力をアップさせる
寝ている間にかく汗は、1晩でコップ1杯分(約200ml)になります。
これだけの水分をシーツだけで吸収するのは無理なので、ベッドパッドと除湿シートを使って汗の吸収力を高めましょう。
とくにマットレスをフローリングに直接敷いて寝ている場合は床面に大量の湿気がたまってしまい、あっという間に黒カビが増殖しますので、マットレスの下に必ず除湿シートを敷いてくださいね。
ちなみに畳の上にマットレスを敷いているケースでは水分の多くを畳が吸い込んでくれますが、湿気によってカビが生えやすくなりますから、カビを防止する対策として除湿シートを配置しましょう。
4-3. こまめな陰干しで内部の湿気を放湿する
寝室の温度・湿度管理を徹底し、除湿シートなどで湿気対策を徹底しても、マットレスは湿気を吸収してしまいます。
そこで必要になるのが、陰干しによるこまめな放湿対策です。
三つ折りタイプのマットレスは屏風のように、重量のあるコイルマットレスでしたら壁に立てかけて、全面から水分が内部から出ていくようにしましょう。
この時マットレスに扇風機の風を当てると、放湿効率が上がりますので、ぜひ、お試しください。
4-4. シーツは週に1度は洗濯する
シーツを交換しないと皮脂やフケなどの汚れが溜まり、さらに汗を吸収しにくくなってカビが発生しやすい環境を作ってしまいます。
肌に直接触れるシーツは週に1度は洗濯して、清潔に保ちましょう。
休みの日はシーツや敷きパッドを洗って新しいものに交換するといったように、習慣にすると良いでしょう。
シーツや敷きパッドを交換する際は、表面についている汚れが飛び散らないように注意が必要です。
マットレスに汚れが移ってしまうとカビの発生につながるため、四隅から中央に向かって折り畳み、そっとマットレスから外しましょう。
4-5. 壁とベッドは少し離して設置する
マットレスに吸収された湿気は、表面だけでなく側面からも発散されます。
マットレスを壁にくっつけていると通気性が悪くなり、接触部分に湿気がこもってカビが発生しやすくなるため、壁とベッドは10cmほど離して設置しましょう。
とくに、窓際は結露でマットレスが濡れやすく、湿気によってカビが発生しやすいので注意が必要です。
部屋の間取りや広さの関係でマットレスを窓際に置くときは、窓際から少し離して設置する他にも、断熱シートや結露防止シートを貼るなど窓の結露対策を講じましょう。
4-6. 通気性の高いベッドフレームを利用する
通気性の高いベッドフレームを使うと、マットレスに溜まった湿気が発散しやすくなります。
ベッドフレームは、床板の隙間が空いているすのこ構造のものや、脚付きで床から高さのあるものなどを選ぶと良いでしょう。
ベッドフレームの素材は調湿作用のある木製や、通気性が良くカビが発生しにくい金属製がおすすめです。
マットレスを床に置いている場合は、すのこを敷いて床とマットレスの間に空気の通り道を作りましょう。
4-7. 掛け布団は毎朝めくる
朝起きたらベッドを綺麗に整えるのを習慣にしている人もいるかもしれません。
しかし、掛け布団やシーツは汗を吸い込んでいるため、起きた時にマットレスの上に布団をかけたままにすると、湿気が発散されずにカビが発生しやすくなります。
朝起きたら掛け布団をめくり、風に当てて湿気を飛ばしましょう。
掛け布団をベッドから外し、窓際など風通しの良い場所に干すのもおすすめです。
まとめ
マットレスのカビを防ぐには、湿気を溜め込まない、シーツやパッド類は定期的に洗う、マットレスのメンテナンスを欠かさないなど、カビが発生しやすい条件を満たさないように対策をとることが大きなポイントになります。
すでにカビが発生してしまい、寝具の買い替えを検討している場合は、通気性や放湿性に優れているマットレスや清潔に使えるマットレスを選ぶと良いでしょう。
今回紹介した対策方法や予防方法を参考に、睡眠環境を整えてくださいね。