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メタボリックシンドロームとは重病手前の病態!基準や改善策は?

テレビの健康番組やネットなどでよく目にする「メタボリックシンドローム(通称メタボ)」という言葉、みなさんはその意味をきちんと理解していますか?
年を重ねるにつれてメタボになる方が増加しますが、生活習慣の見直しなどを行なわないと命に関わる病気を引き起こすこともあります。
本記事でメタボリックシンドロームの基準や原因について理解を深めるとともに、予防と改善につながるポイントを押さえていきましょう。

 

メタボリックシンドロームとは肥満と異なる病態

2006年の流行語大賞候補にもなったメタボリックシンドロームとは、「メタボリック=代謝」と「シンドローム=症候群」を組み合わせた言葉です。
メタボは内臓脂肪が蓄積してさまざまな病気のリスクが高まった病態で、厚生労働省のサイトでは下記のように基準が定められています。

1.ウエスト周囲径・・・男性は85cmc以上、女性は90cm以上(内臓脂肪型肥満)
2.脂質異常・・・中性脂肪が150mg/dl以上、かつHDLコレステロールが40mg/dl未満、もしくは両方を満たす
3.高血圧・・・最高血圧が130mmHG、かつ最低血圧が85mmHG以上、もしくは両方を満たす
4.高血糖:空腹時血糖値が110mg/dl以上
※メタボリック症候群とは1を必須項目とし、2~4のうち2項目を満たしている病態

(参照)
厚生労働省:「メタボリックシンドロームの診断基準」
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/seikatsu/pdf/ikk-j-07.pdf

メタボリックシンドロームとは定義が異なりますが、間違われやすいのが肥満症で、こちらはBMI(体重(kg)÷身長(m)÷身長(m))が25を超えていることが診断基準です。
また生活習慣病予防という健康意識を高める言葉と誤解している方もいるようですが、メタボリックシンドロームとはこのような明確な基準がある病態と認識してください。

生活習慣が乱れて内臓脂肪がたまっていくと、糖尿病に代表される生活習慣病を発症するリスクが高まります。
糖尿病になると食事制限や定期的な通院など、日常生活に支障が出て生活の質が低下することもありますね。
さらにメタボとは心筋梗塞や脳梗塞といった命に関わる病気も引き起こす病態です。
まずはウエストを計測してみて上記に当てはまる場合は、医療機関を受診して脂質や血糖値などに異常がないか検査を受けてください。

心臓が苦しい男性

今日から始めるメタボの予防と改善策

先述の通り、メタボリックシンドロームとは腹部肥満が一因となっていますので、予防と改善に必要なのは脂肪を落とすための運動です。
ジョギングや水泳などの有酸素運動は、脂肪減少にもってこいなので、日々の運動習慣に取り入れるようにしましょう。
有酸素運動と一緒に行ないたいのは、腹筋や腕立て伏せといったインスリンの効果を高める無酸素運動です。
インスリンの効き目が上がれば糖尿病や高血圧の予防や改善につながりますし、基礎代謝もアップして効率的なダイエットが実現します。

次に注目したいのは、食生活の改善です。
食事は1日3回摂ることを基本とし、よく噛む、野菜を最初に食べる、油分が多い食品を避けることを習慣にしてください。
炭水化物やスイーツの過剰摂取は、脂肪蓄積につながることもお忘れなく。

最後に、メタボリックシンドロームとは無関係と誤解される習慣として解説しておきたいのが喫煙です。
こちらも厚生労働省が公表している数値ですが、喫煙者は非喫煙者と比べてメタボリックシンドロームの発症リスクが1.6倍も高くなることがわかっています
ちなみにメタボの状態でタバコを吸い続けると、脳梗塞のリスクは3倍に跳ね上がります。

(参照)
厚生労働省:「脱メタバコ支援マニュアル」
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000ts32-att/2r9852000000tsjh.pdf

喫煙している太った男性

メタボになるとさまざまな病気リスクが上昇し、日常生活にも支障が出ることがお分かりいただけたことでしょう。
病気になってから後悔するのでは遅すぎます。
メタボリックシンドロームとは“大病になる前に体が発する危険信号”と認識し、今すぐできる予防・改善策を講じて、いつまでも快活な日々を送れるように健康管理を徹底しましょう。

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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