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早朝高血圧は知らぬ間に進行する!考えられる原因と対策4選


わたしたちの血圧は1日を通して変動していますが、起床時に高い数値になる「早朝血圧」の症状が出たら要注意です。
医療機関を受診しても見つかりにくいこの症状は、脳梗塞や心筋梗塞といった命に関わる病気を発症するリスクを高めます。
早朝高血圧の治し方を知るのはもちろんのこと、予防につながる知識を身につけておくことも大切ですから、本記事で挙げるポイントをしっかり押さえておきましょう。

 

 家庭用血圧計で起床時の血圧測定を日課に!

 自律神経によってコントロールされている血圧は、休息時間である睡眠中は低く保たれていて、朝目覚める時間が近づくにつれて高い数値に変動していきます。

正常な方であれば上の血圧は135mmHg、下は85mmHgの範囲内に収まっていますが、起床後1~2時間の間にこれ以上の数値になった場合、早朝高血圧と診断されるのです。
高血圧が厄介なのは自覚症状がないまま血管が硬くなっていくことで、ある日突然死に至ることもあります。
このような悲劇を招かないようにするためにも、家庭用血圧器で朝起きた時の血圧をこまめに測定し、早期高血圧になっていないかチェックする習慣を身につけましょう。

 

早朝高血圧の原因と治療方法は?

ここでは早朝高血圧の原因となる行動をまとめました。
下記の項目を読んで該当する方は今日から改善に努めてください。

1. 塩分の摂取量を控える

 早期高血圧を含めた高血圧の症状を引き起こす最大の原因は、塩分の過剰摂取です。

1日の食塩摂取量の目安は、男性が7.5mg、女性が6.5mg未満とされていますが、高血圧の予防や治療を考慮するなら男女ともに6mg以下にしなくてはなりません。
日ごろから塩分が多く含まれている食品を避けるとともに「ラーメンやうどんのスープは残す」「加工食品はなるべく食べない」「うま味を料理に活用する」など、食生活を改善していきましょう。

朝ごはんも塩分控えめにするべきなのは言うまでもありませんが、どうしても塩味のある食べ物を欲しくなったら、16~20時の間に食べるようにしてください。
この時間帯は塩分の体内蓄積を抑える「アルドステロン」というホルモンの分泌量が低下します。
こうした体の仕組みを利用することで早朝高血圧の予防や治療につながりますので、必ず覚えておいてくださいね。

食事をしている男性


2. ストレスをうまく解消する

わたしたちの体はストレスを感じると、その防御策として交感神経が活性化して血圧が上昇します。
これは一時的な反応ですが、継続的にストレスを感じていると血圧が上昇したままになり、朝だけでなく寝ている間も血圧が高い状態になるのです。
社会生活においてストレスを受けずに暮らすのは難しいので、大きな病気の原因になることを防ぐために日ごろからストレス解消に努めてください。

ただしストレスが発散できるからといって、寝る前の飲酒は絶対にNGです。
お酒を飲むとアルコールが代謝されるときにできる「アセトアルデヒド」の作用で血圧が上がりますし、この後にお話しする「睡眠の質」にも悪影響を及ぼして、早朝高血圧の症状を悪化させます。

3. 運動を習慣化して肥満を解消する

肥満の方は食事の摂取量が多い傾向にあり、これが塩分過多の原因になります。
また、肥満によって食後に分泌されるインスリンの量も増えるのですが、同時に塩分が腎臓で再吸収されてしまい、血中の塩分濃度が高い状態に陥るのです。
このようなリスクを避けて早朝高血圧を改善するためにも、毎日適度な運動を行なって肥満を解消するようにしてください。
運動後は交感神経のスイッチがOFFになって血圧が低下しますし、ストレス解消にもつながるので、一石二鳥ですよ。

ジョギングをしている男性

4. 睡眠不足と不眠症状を解消する

早朝高血圧を引き起こす原因として意外と知られていないのが、睡眠障害です。
睡眠不足はもちろんのこと、夜中に何度も目が覚める、早朝に目が覚めて眠れなくなるといった症状がある方は、起床時の血圧が高い傾向にあります。
質の低い睡眠が続くとストレスへの対応力が低下しますし、自律神経も乱れて交感神経優位の状態が継続するんですね。
睡眠の質を上げるには睡眠不足を解消するのはもちろんのこと、自律神経の乱れを整えて熟睡することが大切なので、下記の行動を実践してください。

・寝る直前の入浴やスマートフォンの操作、喫煙は避ける
・布団に入ったら腹式呼吸を行なう(交感神経をOFFする)
・音や光の刺激を遮って、睡眠中に目が覚めないようにする
・寝返りが打ちやすいマットレスや、高さ調整ができる枕を使う
・朝起きたら太陽光を浴びて、体内時計をリセットする


以上、早朝高血圧の予防と治し方について解説してきましたが、みなさんの改善ポイントは見つかったでしょうか?
わたしたちの生活はコロナ禍を経てテレワークが進んだり、人との付き合い方やコミュニケーションが変わったりしたことで、新たな病気の発症要因が増えつつあります。
ストレス増大や運動不足、飲酒量の増加はその最たるものです。
末永く健康的な生活を送れるよう、この機会に生活習慣を根本的に見直してみましょう。

 

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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