女性は40代の半ばから50代にさしかかると、女性ホルモンの減少が原因で心身にさまざまな不調が現われます。
これが『更年期障害』と呼ばれるもので、最近は30代の女性でもホットフラッシュ(発汗やほてりなど)という代表的な症状が出る方もいるようです。
更年期障害を完全に予防することはできませんが、対処法を知ることで症状の緩和につながりますので、本記事を参考にして対策を講じてみてください。
エストロゲン減少が引き起こす症状とは?
女性らしい体をつくり、妊娠の準備をするといった役割を持つエストロゲン(女性ホルモン)は、一般的に40代から年齢を重ねるにつれて分泌量が減っていきます。
閉経の前後になるとホルモンバランスが崩れてしまい、冒頭でお話ししたようなホットフラッシュや頭痛、めまいや動機、不眠といった症状に悩まされるのです。
さらに追い打ちをかけるのは、日々たまっていくストレスと自分自身の性格。
更年期障害になりやすいのは、頑張り屋で真面目という性格の方なんです。
また更年期障害はココロにも不調をきたすのが特徴で、不眠に起因する自律神経の不調もあいまって、うつ病になりやすい人もいます。
更年期障害の症状が重症化した時点で病院に行くと治療に時間がかかりますので、月経の周期が乱れてきたなと感じたら、早めに婦人科を受診するようにしましょう。
そして更年期障害と診断されたら、薬物療法などの治療を続けるとともに生活習慣を見直してください。
ホットフラシュなどのつらい症状が、次第に緩和することが期待できますよ。
生活習慣の見直しポイントは3つ
更年期障害の治療につながる生活習慣の見直しポイントは、大別すると3つに分けられます。
1つ目は、『栄養バランスにすぐれた食事を3食しっかり摂ること』です。
朝食を抜く、夜遅い時間に食事を摂るといった習慣は即改善です!
食事メニューには、エストロゲンと同じ役割を持つ「大豆イソフラボン」を積極的に加えるようにしてください。
大豆イソフラボンは、納豆や味噌、豆腐などに多く含まれています。
2つ目は、『規則正しい生活を送る』ことです。
起床時間は毎日同じにして、布団から出たらカーテンを開けて日光を全身に浴びましょう。
このような行動を習慣にすれば、体内時計がリセットされて自律神経も整いやすくなりますし、うつを防ぐセロトニンというホルモンの分泌が促されるんです。
日中は、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動を行なってください。
自律神経が鍛えられてストレスへの対応力が高まりますし、適度な疲労を感じることで夜の睡眠が深くなるんです。
夜は心身の休息が促されるように、「照明を暗くする」「入浴時にお湯に浸かる(ただし、入眠の2時間前まで)」「スマートフォンは使わない」など、心身をいたわる生活を送りましょう。
最後のポイントは、『睡眠環境を整えること』です。
とくに注意したいのは深い眠りをサポートする枕や寝具の状態で、湿気を帯びていないか、そして反発力がカラダに合っているか。
年齢を重ねるとどうしても眠りが浅くなってしまいますので、快眠を維持する機能性が高い寝具の使用は欠かせません。
機能が低下した寝具で寝ていると眠りがさらに浅くなりますから、夜中に寝苦しさを感じて目を覚ますとか、起床時に肩や腰に痛みを感じるといった症状が続く場合は、新しい寝具に買い替えることを検討してください。
ちなみにホットフラッシュの症状は睡眠中も発生しますので、とにかく睡眠の質にこだわることが大切です。
30代で更年期障害になりやすい人は?
最後に、最近増えている30代の更年期障害について解説します。
エストロゲンの減少は40代から始まりますが、30代という若い年齢でホルモンバランスが崩れて更年期障害の症状が出る女性もいるんです。
若くして更年期障害になりやすい女性の特徴としては、過度のダイエットを繰り返している、食事が不規則になっている、睡眠不足が続いているなどです。
このような生活を送っているとエストロゲンの減少スピードが上がってしますので、上記に該当する方で月経不順も起こっている場合は、医療機関を受診して適切な治療を受けましょう。
先にお話しした生活改善の実施も必要であることは、言うまでもありません。
40代から50代、そして30代特有の更年期障害と症状緩和につながる対応策についてお伝えしてきました。
対処すべきポイントは多岐にわたりますが、健康体を取り戻して生き生きとした暮らしを送るために今日から予防と改善に努めてくださいね。