
夏になるとよく見かける「接触冷感」素材の寝具や衣類。
「ひんやりして気持ちいい!」と感じることも多い一方で、「実際、どうやって冷たさを測っているの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この“ひんやり感”を数値化した科学的な指標が、Q-max(キューマックス)値です。今回は、接触冷感の正しい理解と、夏の寝具を選ぶうえでのポイントをご紹介します。
1. 接触冷感とは? ─「冷たい素材」ではないって知ってた?
接触冷感とは、生地に触れた瞬間に、体の熱がすばやく素材へ移動することで「冷たい」と感じる仕組みのことです。このとき重要になるのが、“素材との温度差”。生地が体温より低く、かつ熱が移動しやすい(=熱伝導性が高い)素材であるほど、冷たさを強く感じやすくなります。つまり、接触冷感を得るためには、「生地が体温より冷たい状態」であることが前提です。同じ場所に触れ続けていると、生地が体温に近づいてしまい、次第に冷たさを感じにくくなります。
そのため、寝返りを打つことや、エアコン・扇風機との併用が、冷感効果を持続させるうえで効果的です。
2. Q-max値とは?──“ひんやり”の数値化
Q-max値は、人の肌から素材へどれくらい熱が移動するかを示す数値です。
単位は【W/cm²(ワット毎平方センチメートル)】で、数値が高いほど冷たく感じるとされています。Q-max値による「ひんやり感」の目安は以下の通りです。
• 0.2以下:冷感なし
• 0.2~0.3:ややひんやり
• 0.3~0.4:しっかりひんやり
• 0.4以上:かなりひんやり
たとえば、木綿などの天然素材はQ-max値が低めで、ナイロンや接触冷感用の特殊繊維は比較的高い傾向にあります。
3. 冷たければ良い? ─ 通気性と吸湿性のバランスが大事
Q-max値が高いほど冷たく感じる──これは事実ですが、快適さ=Q-max値の高さとは限りません。たとえば、数値が高い素材は接触直後はひんやりするものの、長時間使っていると熱がこもってしまい、冷たさを感じにくくなることもあります。
さらに、汗をかきやすい方には通気性や吸湿性の低い素材だとムレが気になることも。つまり、Q-max値の高さだけでなく、素材の特性や使い心地のバランスが重要なのです。
4. 快適な夏の睡眠に必要なのは“冷たさ+調湿”
寝具においては「肌が触れた瞬間のひんやり感」だけでなく、そのあと いかにムレずに快適に過ごせるかが大切です。たとえば最近では、接触冷感素材と調湿素材をリバーシブルで組み合わせた敷きパッドなども登場しています。
・ 暑い夜には“接触冷感面”
・蒸し暑さや汗が気になるときは“吸湿面”
というように、その日の気温や体調にあわせて面を選べるタイプは、夏の睡眠を心地よくする選択肢として注目されています。
5. 自分に合った冷感寝具の選び方
Q-max値だけを鵜呑みにするのではなく、以下のポイントで選ぶのがおすすめです。
・ Q-max値は0.3以上が目安(ややひんやり〜ひんやり)
・吸湿性・通気性も考慮(ムレにくいかどうか)
・洗濯のしやすさ(清潔さを保ちやすい)
・敷きパッドやカバーのリバーシブル仕様も◎
「冷たすぎると寝付きづらい」という方には、自然なひんやり感+快適素材の組み合わせが心地よい選択となるでしょう。
まとめ
Q-max値は“目安”、心地よさは“体感”
Q-max値は、接触冷感素材の“ひんやり感”を示す便利な指標ですが、それだけで寝具を選ぶのはやや早計。素材の特性や体感の違い、湿度対策とのバランスも踏まえることで、ようやく“快眠”につながります。“ひんやり”と“サラサラ”が両立する敷きパッドなど、自分に合った寝具で夏の夜もぐっすりと眠りましょう。
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