2021年に経済開発機構(OECD)が調査した「世界の平均睡眠時間」で、かなりショッキングな結果が出ました。
なんと日本は、先進国33か国中ワースト1位を記録したのです。
睡眠時間が少ないということは、睡眠負債がたまって健康リスクが高まっていることを意味します。
みなさんは自身の睡眠を見直してみて、健康を維持できると自信をもって言えますか?
女性は男性より寝ていないという事実
まずは冒頭でご紹介した世界の平均睡眠時間について、もう少しお話ししておきましょう。
日本は平均睡眠時間が7.36時間でワースト1位だったのに対して、世界で一番睡眠時間が長かったのは9.21時間のブラジルでした。
年代別に見て気が付くのは、働き盛りである40代の平均睡眠時間が6時間台になっていて、女性のほうが短いこと。
これは、家事負担によって生じる差であると分析されています。
また、厚生労働省の調査によると、日本人の平均睡眠時間は年々短くなっていて、睡眠の質が悪いと意識している方も急増しているという点にも注目です。
参照:厚生労働省 令和元年「国民健康・栄養調査」の結果
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_14156.html
世界各国の平均睡眠時間との差を見ると、そんなに大きくないのではと感じる方も多いと思いますが、1日1時間の差は1か月で30時間になります。
睡眠不足の蓄積は心身の健康を脅かす「負債」となり、いつしか返済できない状況に陥ることも。
この状態が、最近テレビの健康番組やネットで紹介されることが多くなった「睡眠負債」です。
睡眠負債は眠気による日中のパフォーマンス低下だけでなく、自律神経の不調や生活習慣病、心疾患などの病気を引き起こしますので、返済ができるうちに最適な策を講じましょう。
自分に必要な睡眠時間を知る方法は?
睡眠負債を今から返済していくには、自分に必要な睡眠時間を知る必要があります。
目安となるのは日中に発生する眠気の有無で、毎日仕事や家事の妨げになるほど眠くなる方は、睡眠不足で睡眠負債がたまっていると認識しましょう。
負債を返済するには睡眠時間を長くするのがベストですが、眠る時間を削るほど忙しい日々を送っていたら、なかなか実践できないですよね。
そんなときは、午後3時までに15分程度の昼寝をすることをおススメします。
深い眠りに入ると目覚めが悪くなりますので、横にはならずに机に突っ伏した状態で寝て下さい。
短時間の睡眠でも疲労がある程度回復しますので、起床後のパフォーマンスアップが期待できます。
また、睡眠の質を向上させるために、機能性が高い寝具で寝ることも負債返済の有効手段です。
通気性に優れていて、自分の体に合った反発力に調整できるマットレスや枕を使えば、深い眠りに入って疲労回復やストレス解消が進みます。
とくに、眠りについてからの3時間は、睡眠の深度が一番高まるんですね。
この時間帯に熟睡できるように、睡眠の妨げとなる外部からの刺激(生活音や小玉電球の光など)をなくすことも重要だと覚えておきましょう。
このように睡眠環境を見直しながら、寝る前にお酒を飲んだり、スマートフォンを操作したりといった悪しき生活習慣も改善すれば、返済できる負債は増えていきます。
平均睡眠時間が世界で最下位という不名誉な結果を変えるためにも、今日から返済開始です!
できることからすぐ、改善に取りかかりましょう。