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肩こりはストレッチだけで解消しにくい!見落としがちな原因は?

多くの日本人を悩ます肩こりは、頭痛や吐き気などさまざまな症状を引き起こし、日常生活の妨げになるほど悪化することもあります。
その対策として効果的なのはストレッチやマッサージですが、根本的な原因を解消しなければ、この厄介な現代病は改善しません。
そこで今回は、誰もが当たり前に行なっている行動の中に潜む肩こりの原因と改善策について解説していきます。
放置しておくと症状が悪化して、生活の支障となる肩関節の慢性疾患を招きますので、本記事を参考にして早急に対処してください。

“寝ながらスマホ”の習慣が頭痛や不眠も悪化させる

 みなさんは寝る前などに、仰向けやうつ伏せの姿勢でスマートフォンを操作していませんか?

こうした誰もがとりがちな姿勢は、首や肩に大きな負荷をかけるのです。
まず、仰向けの姿勢ですが、両腕を上にあげた状態になるため、その重さが肩にかかります。
腕は片方で3キロもあるため、肩の筋肉疲労が進んで肩こりを引き起こします。

一方、うつぶせ姿勢は腕の重みが肩にかかりませんが、うつむくことで頭が不自然に傾いてしまうので、その重さが増加するんです。
その重さ、うつむく角度が60度になると、なんと27キロに!
また、日中もスマートフォンやパソコンで目を酷使しているのに、寝る寸前までブルーライトが照射される画面を見ていたら眼精疲労も進みます。
その結果、交感神経が優位になって筋肉が緊張して肩こりがさらに増長しますし、頭痛を発症させたり、寝つきを悪くして不眠を招いたりすることもあるのです。このような症状が日常的に出るようになったら、ストレッチをしても肩こりなどの症状はなかなか改善しませんので、寝る前にスマートフォンを操作する習慣はなくしましょう。

 体に合わない寝具の使用が肩こりにつながる理由

 肩こりは起床時だけでなく、睡眠中にも発症します。その原因の1つとして挙げられるのが、体に合わない敷寝具です。

最近は、ふわふわ触感の低反発マットレスが人気ですが、体が沈み込みすぎると寝返りが打ちにくくなります。
すると、同じ寝姿勢が続いてしまい、マットレスと接する肩の血流が妨げられてコリがひどくなるのです。
同じようなダメージは、高さが合わない枕の使用時にも発生します。
首の骨は緩やかなS字カーブを描いているのですが、頭が浮くような高さだと首筋が伸びてしまい、肩の筋肉に圧力がかかった状態が朝まで継続するんですね。
そして、頭部も圧迫されて緊張型の頭痛も発症しやすくなります。

起床時に肩こりや首の違和感を覚えるという方や、頭痛に悩まされているという方は、今すぐに、寝具の反発力や枕の高さを見直してみましょう。
とは言っても、自分に合った寝具はなかなか見つけられませんので、反発力を調整できるマットレスや、高さ調整機能がある枕を使うことをおススメします。

手軽にできる肩甲骨のストレッチのすすめ

最後に、肩こりがつらいときのストレッチについて解説します。
ポイントは肩甲骨です。
最近は「肩甲骨はがし」というストレッチが人気ですね。
これは、肩甲骨の動きをよくして筋肉の柔軟性を保つための運動で、血のめぐりがよくなりますし、姿勢の改善にもつながります。

肩甲骨はがしの方法

1.椅子に座った状態で息を吸いながら肘を引き、左右の肩甲骨をくっつけるように動かす
2.肩甲骨が動かせない位置まできたら、3~5秒ぐらい静止する
3.元の位置に両ひじを戻して、再び3~5秒ぐらい静止する
4.1~3の動作を3分程度継続する

肩甲骨ストレッチの方法は、上記以外にもたくさんあり、動画サイトなどでも公開されていますので、自分がやりやすい方法を見つけて毎日の習慣にしましょう。

肩こりは万病の元といわれているように、頭痛だけでなくさまざまな不快症状を招き、大きな病気につながることもあります。
原因が見つかったらすぐに改善するとともに、日ごろから姿勢を正すことや、同じ姿勢を続けないようにすることを心がけてください。
肩こりのストレッチだけでなく、全身のストレッチも習慣にすれば、体の柔軟性アップにつながりますよ。

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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