GOKUMINコラム
寝具相談室

マットレスの洗濯方法は?洗濯すべき理由や種類ごとの洗濯方法・注意点を紹介!

毎日使っているマットレスには寝汗や汚れが付着しているため、できるならシーツやカバーだけでなくマットレスも洗濯して清潔に保ちたいという人も多いのではないでしょうか。

マットレスは洗えるものと洗えないものがあり、種類によって適した洗い方が異なります。

今回は、マットレスを洗濯するメリットや洗濯できる・できないマットレスの見分け方、種類ごとの洗濯方法、注意点について詳しく解説します。

今使用しているマットレスや、これから購入予定のあるマットレスには、どのような洗い方が適しているのかチェックしてみましょう。

目次

1.マットレスを洗濯するメリットは?洗濯したほうが良い?

毎日使っているマットレスにはさまざまな汚れが付着しているため、マットレスを洗って清潔に保つと、以下のようなメリットが得られます。


  • ダニの除去
  • ほこりやごみを除去し、喘息やアレルギーを抑えられる

それぞれのメリットについて確認してみましょう。


1-1. ダニの除去

マットレスを洗濯すると、マットレスに生息しているダニを取り除けるのがメリットのひとつです。

ダニは高温多湿な場所を好み、ほこりや垢、フケなどをエサにしています。

人の体温や汗で高温多湿になり、ダニのエサが多い環境のマットレスは、ダニが繁殖しやすい場所です。

マットレスにダニがいると、刺されてかゆみや赤み、腫れなどの症状が現れたり、ダニの死骸やフンによってアレルギー症状が起きたりするなど、健康被害を受ける恐れがあります。

病原体をもつダニに刺された場合、感染症を発症する場合もあるので注意が必要です。

ダニは人の服やペットなどに付着して外から運んできてしまうため、定期的にマットレスの手入れをして取り除くことが大切です。


1-2. ほこりやごみを除去し、喘息やアレルギーを抑えられる

マットレスにはダニの他にもほこりやペットの毛、花粉、カビ、繊維クズなどさまざまなものがつきやすいです。

これらのほこりやごみを体内に取り込むと、免疫反応によって以下のような症状が起こる場合があります。


  • 気管支喘息:咳・息苦しさなど
  • アレルギー性鼻炎:くしゃみ・鼻水・鼻づまりなど
  • アレルギー性結膜炎:目のかゆみ・充血・違和感など
  • アトピー性皮膚炎:皮膚の炎症・乾燥・かゆみなど

洗濯するとマットレスに付着しているほこりやごみを除去できるため、このような喘息やアレルギーの症状を抑えられる可能性があります。


2.マットレスを洗濯する方法は?

マットレスにはさまざまな種類があり、使用されている素材によって洗濯できるものとできないものがあります。

ここでは、以下のポイントを紹介します。


  • 洗濯できるマットレスの見分け方
  • 洗濯できないマットレスの見分け方

2-1.洗濯できるマットレスの見分け方

洗濯できるマットレスの場合、自宅で洗う方法とクリーニングに出す方法があります。

自宅で洗えるマットレスは『ファイバーマットレス』と『高反発ウレタンマットレス』、クリーニングに出せるマットレスは『スプリングマットレス』です。



ファイバータイプマットレス

通気性の良い樹脂ファイバーで作られたマットレスです。

基本的に丸ごと水洗いが可能で、軽いので手軽にお手入れができます。

高反発ウレタンマットレス

反発力の高いウレタンで作られたマットレスです。

ウレタンは水や熱に弱い素材なので基本的には洗えませんが、水洗いが可能な商品もあります。

スプリングマットレス

金属素材のコイルスプリングを使用したマットレスで、大きく分けてポケットコイルとボンネルコイルがあります。

自宅で丸洗いできませんが、クリーニングに出すことは可能です。



2-2.洗濯できないマットレスの見分け方

水や熱に弱い素材を使用したマットレスは、自宅で洗濯したりクリーニングに出したりすることができません。

洗濯できないマットレスは、低反発ウレタンマットレスとラテックスマットレスがあります。


低反発ウレタンマットレス

反発力の低いウレタンで作られたマットレスです。

水に濡れると加水分解を起こしてボロボロになる性質があり、熱にも弱いので水洗いやクリーニングはできません。

ラテックスマットレス

天然ゴムで作られたマットレスです。

水や熱に弱いので水洗いもクリーニングもできません。


3.マットレスの洗濯の方法を種類別に解説!

ここでは、以下の種類別に洗濯方法を紹介します。


  • スプリングマットレス
  • ウレタンマットレス
  • ファイバータイプマットレス
  • ラテックスマットレス

マットレスは誤ったお手入れをすると劣化を招いてしまい、寿命や寝心地に影響を与えることがあるので、正しい洗濯方法を確認しておきましょう。


3-1.スプリングマットレス

ジュースやお茶をこぼしたときなど、スプリングマットレスに部分的に汚れがついてしまったときは、中性洗剤を使って汚れを落としましょう。


【部分的な汚れの落とし方】


<用意するもの>

  • 中性洗剤
  • タオル2枚

<洗い方>

  1. 中性洗剤で薄めた水でタオルを濡らして軽く絞る
  2. 汚れをタオルに吸収させるように、汚れた部分をタオルで叩く
  3. 汚れがなくなったら、タオルを水ですすぎ、洗剤が残らないように水拭きをする
  4. 乾いたタオルでマットレスに残った水分を拭き取り、しっかり乾かす

スプリングマットレスは金属素材のコイルを使用しており、自宅で丸洗いするのは難しいです。

丸ごと洗いたいときは、専門のクリーニング業者に依頼しましょう。

クリーニングを利用することで、表面だけでなく内部の汚れも取り除くことができます。


3-2.ウレタンマットレス

ウレタンマットレスは洗濯できないものがほとんどです。

カバーが外せる場合は洗濯機で洗えることが多いので、洗濯表示に従って洗いましょう。

部分的な汚れがついてしまったときは、スプリングマットレスと同じ方法で汚れを落とします。

高反発マットレスの中には、シャワーをかけて手洗いできるもの、洗濯機やコインランドリーを使用できるものなど、自宅で水洗いできる商品もあります。

洗濯できる場合は、説明書に記載されたお手入れ方法や注意点を確認して、正しい方法で洗濯しましょう。


3-3.ファイバータイプマットレス

ファイバータイプマットレスは、基本的に自宅の浴室で丸洗いできます。

一般的な洗い方は以下の通りです。


  1. カバーを外す
  2. 水または40℃以下のシャワーをかけて、汚れを洗い流す
  3. 直射日光を避けて陰干しをして、しっかりと乾燥させる

汚れが気になるときは、浴槽にお湯と中性洗剤を入れ、足で踏み洗いをした後にしっかりとすすぎましょう。

カバーは洗濯表示を確認して、適切な方法で洗濯します。

マットレスを洗う際のお湯の温度や洗い方は商品によって異なるため、必ず説明書や洗濯表示を確認してください。


3-4.ラテックスマットレス

ラテックスマットレスは水洗いもクリーニングもできないため、パッドやシーツなどを使って汚れを防止するのがおすすめです。

部分的な汚れが気になる場合は、水で濡らして固く絞ったタオルで拭き取り、陰干しをしてしっかりと乾かしましょう。


4.マットレスを洗濯するときの注意点は?

マットレスの扱い方は素材や商品によって異なりますが、マットレスを自宅で洗濯する場合は、基本的に以下の3つの注意点があります。


  • マットレスは洗濯機では洗濯できない
  • 洗濯の頻度は半年に一回
  • 直射日光に当てない

洗い方だけでなく、洗濯頻度や洗濯後の干し方がマットレスの状態に影響を与えることがあります。

マットレスは長く使うものなので、清潔な状態を維持できるように、それぞれの注意するべきポイントを確認しておきましょう。


4-1.マットレスは洗濯機では洗濯できない

マットレスはさまざまな種類がありますが、基本的に洗濯機では洗えません。

無理やり洗濯機を使うとマットレスの劣化を招き、重量オーバーによって洗濯機の故障につながる恐れもあります。

一部のマットレスは洗濯機で丸ごと洗える場合もあります。

洗う際は説明書をよく読み、洗い方や洗濯機の重量などに注意して洗濯しましょう。


4-2.洗濯の頻度は半年に一回

マットレスを清潔に保つことは大切ですが、頻繁に洗いすぎると劣化するリスクが高まります。

また、マットレスを洗う頻度が少なすぎると不衛生な状態になり、ダニやカビなどが発生して健康被害を引き起こす恐れがあります。

マットレスの汚れやニオイが気になるときは洗濯しても問題ありませんが、マットレスの洗濯頻度は半年に一回を目安にしましょう。

カバーやシーツを使って汗や汚れがつくのを防ぐと、清潔な状態を保ちやすくなるでしょう。


4-3.直射日光に当てない

マットレスを洗った後に干すときは、直射日光に当てないようにしましょう。

とくに、ウレタンやラテックスなど熱に弱い素材を使ったマットレスの場合、直射日光に当てると変質してしまうことがあります。

風通しの良い場所に立てかけて、陰干しをして乾燥させましょう。

また、マットレス内に湿気が溜まるとダニやカビの発生を招いたり、劣化が早まったりするため、定期的に陰干しすることも大切です。


5.洗濯なしでマットレスを清潔に保つ方法は?

ウレタンやマットレス、スプリングマットレスといった洗濯できないマットレスを使用する場合、洗濯なしで清潔に保つには以下のような方法があります。


  • 部分洗いを行う
  • クリーニングに出す
  • 長期間使用しているなら買い替える

それぞれのポイントを確認してみましょう。


5-1.部分洗いを行う

洗濯なしでマットレスを清潔に保つには、まずは粘着シートや掃除機でこまめに掃除をしてほこりやゴミを取り除くことが大切です。

ジュースやお茶をこぼしたときなど、部分的に汚れがついたときは中性洗剤を使った方法で落としましょう。

汗ジミや嘔吐物には重曹、カビには消毒用エタノール、おねしょにはクエン酸を使って洗うのが効果的です。


マットレスの汚れ別のクリーニング方法について詳しく知りたい方は、こちらの記事がおすすめです。

マットレスのクリーニング方法|費用相場から買い替え時期まで解説


5-2.クリーニングに出す

部分的な軽い汚れであれば自分で落とすことが可能ですが、汚れがひどいときや全体的に汚れがついているときは落とすのが難しい場合もあります。

そのときは、専門のクリーニング業者に依頼してみましょう。

低反発ウレタンやラテックスマットレスは依頼できない場合がありますが、スプリングマットレスであれば自宅で落とせない汚れやニオイなどを取り除ける可能性があります。

専門のクリーニング業者では、以下のような流れで洗濯を行います。


  • 掃除機でマットレスに付着しているほこりやごみを取り除く
  • スチーム洗浄でダニを死滅させる
  • アルカリ電解水やバキューム洗浄で汚れを落とす
  • マットレス用の乾燥機で乾燥させる

5-3.長期間使用しているなら買い替える

マットレスには寿命があるため、長期間使用しているなら買い替えを検討してみましょう。

寿命を迎えたマットレスは寝心地が悪くなったり、寝姿勢が崩れて体の不調に繋がったりすることがあります。

洗濯できないマットレスの寿命目安は以下の通りです。


低反発ウレタン

3~5年

ラテックス

6~10年

ポケットコイルマットレス

7~10年

ボンネルコイルマットレス

6~9年


マットレスの寿命は使い方やお手入れによって異なります。

「ヘタリや除去できないカビなどがあって劣化が目立つ」「寝ていると肩や腰に痛みが出るようになった」という場合は、買い替えを検討することをおすすめします。



まとめ

マットレスは正しい方法で洗濯すると、ダニやほこり、ごみを取り除いて喘息やアレルギーを抑えられるメリットがあります。

マットレスは使用している素材によって自宅で洗えるもの、クリーニングで洗えるもの、自宅でもクリーニングでも洗えないものがあり、商品によっても洗濯の有無や方法は異なります。

自宅で手軽に丸洗いしたい場合は、浴室のシャワーで洗えるマットレスや洗濯機で洗えるマットレスを選ぶのがおすすめです。

今回紹介した情報を参考に、マットレスを清潔に保ちましょう。




著者・執筆者

松本 小春

訪問看護事務員で勤務し、介護に従事。併せてフリーのライターとして睡眠・健康・栄養コラムを執筆している。

監修者

美容皮膚科医

山下 真理子 先生

美しい肌を保つためには、質の高い睡眠が不可欠です。
良質な眠りは成長ホルモンの分泌を促し、肌のターンオーバー(肌代謝)を活発化してくれます。また、睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンがきちんと分泌されることで、
肌の老化を遅らせる抗酸化作用も期待できます。健やかで若々しい肌の輝きを保つためにも、適切な寝具を選び、睡眠環境の向上を心がけましょう。

京都府立医科大学卒業後、医師に。現在は関西にて美容医療に携わりながら美容や予防医学の講演活動などを行っている。医療教育にも従事し、総合的な美容医療の啓もう活動に努める。自身の不妊治療経験から、生理改善アドバイザーとして食育などのアドバイスも行う。

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